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石橋湛山全集・高橋亀吉著作集

タイトル名

高橋亀吉著作集――近代日本の総合経済史・三部作、全9巻――
(A5版・平均611ページ、各巻に引用書目、統計表目次、索引を付す)

石橋湛山全集・高橋亀吉著作集

内容

明治維新を出発点とする近代日本は、列強による半植民地化の危機にさらされながら、近代経済への離陸を成し遂げ、国際経済への参入を果した。そこでは資本主義導入に伴う、旧遺産、体制、人的要素、資源、国際環境などさまざまな要因がからみあう破壊と建設の過程があった。

本著作集は、屈指の経済評論家・経済史家として知られる高橋亀吉(経済学博士、文化功労章受章、元東洋経済新報編集長)が成し遂げた、徳川中期から幕末維新を経て明治、大正、昭和初期の昭和恐慌に至る全過程を独自の視点から解明した総合経済史三部作である。その時期区分は、次のような4段階に分けられる。

第1段階:『日本近代経済形成史』全3巻(徳川中期〜1868〔明治1〕〜1885〔明治18〕年)

徳川中期に始まる経済停滞の主要な原因は、封建体制の仕組みそのものにあった。維新後の新政府はその遺産の利用と破壊を進めながら、西欧型近代経済(資本主義)の摂取・育成に全力を注いだが、本書はその階梯を登り始めた明治初期まで(第1段階)を対象とする。

第2段階:『日本近代経済発達史』全3巻(1886〔明治19〕〜1913〔大正2〕年)

新政府による経済近代化の促進、日清・日露の両戦争の勝利、不平等条約の改正など新要因の登場、および旧武士階級の近代的企業経営者への転入など近代経済の離陸条件の整備により、その後の本格的成長が可能になった明治中〜後期(第2段階)を対象とする。

第3・4段階=『大正昭和財界変動史』全3巻(大正期:1913〔大正2〕〜1926〔大正15=昭和1〕、および昭和期:1927〔昭和2〕〜1936〔昭和11〕年)

軽工業の隆盛と重工業化が進む一方、外債償還、植民地経営、第1次大戦参戦と戦後恐慌、関東大震災など波瀾と困難に満ちた大正期(第3段階)、および金輸出解禁と金融恐慌、これに連動する世界恐慌の襲来、満州事変に続く二・二六事件の勃発等により、準戦時経済体制へと向かう昭和初期(第4段階)を対象とする。

(1)『日本近代経済形成史』(全3巻)――徳川中期〜明治18年――

1868〔明治1〕〜1885〔明治18〕年までの約20年間を主要な対象とするが、アジアでなぜ日本だけが植民地とされず急速な経済発展を成し遂げることができたのか、本書の意図はその要因の究明にある。その前提として徳川中期から幕末までの封建経済の停滞要因を析出し、その遺産を引き継いだ新政府による近代経済の導入・摂取・育成の過程を解明する。(日経経済図書文化賞受賞)

(第1巻)―徳川封建経済の停滞―

封建経済には参勤交代・身分制など生産以上に消費する仕組みが内蔵されており、これが中期以降の停滞・行詰りの原因であったこと、貨幣経済の発達による武士と商人との軋轢、浪費する武士と窮乏する農民との対立が維新を不可避とした経済的要因であったことを究明し、逆にその除去によって維新後の急速な経済発展が可能になったことを実証する。

第1部 封建体制と経済停滞

第1編 徳川封建体制の基本的仕組みと経済発達の抑圧・停滞・衰微

第1章 緒論
第2章 徳川封建体制に内具する経済の停滞性と浪費性
第3章 貨幣経済の発達と封建体制との摩擦
第4章 徳川封建体制の浪費性と蓄積の貧困・食込み

第2編 徳川中期以降の経済の停滞・窮乏

第5章 武士階級の窮乏と蓄積の食込み
第6章 農民の窮乏・農業蓄積の食込み・農業の停滞・衰微
第7章 徳川中期以降の商人発展の停頓と蓄積の衰退
第8章 幕末における経済窮乏の激成
第9章 明治の経済発達に寄与した徳川期からの遺産

(第2巻)―近代経済の摂取・育成(上)―

明治維新のあと封建経済制度の撤廃と近代経済の摂取・育成が行われ、犠牲と試行錯誤を伴いながらも20年後には封建制度の一掃的改革が進み、封建的価値観から近代的な価値観への転換、広範な制度改革が現実化した。さらに政府の産業政策や、旧武士階級の企業経営者への転入が近代企業の人的基盤の整備に大きく貢献したことを解明する。

第2部 近代経済の摂取・育成(上)

第1章 明治維新と資本主義革命 
第2章 維新と封建制度の一掃的撤廃 
第3章 経済近代化の推進と過渡的摩擦並びに半植民地的外圧
第4章 明治政府の近代経済の育成発達施策
第5章 わが経済の近代的発達と人的基盤の開発と育成

(第3巻)―近代経済の摂取・育成(下)―

冒頭の第6章で明治初期の生産増大と資本投資との相関関係を統計によって分析し、この時期の生産増大は資本投資に基づく増大であるよりも、他の要因―封建制度の撤廃や開国貿易―に基づくものの比重が遥かに多かったことを概観し、各章において、交通運輸、農業、鉱業、工業、銀行、資本形成など、個別分野の実証的な検討を行う。

第3部 近代経済の摂取・育成(下)

第6章 明治初期(明治1〜18)の生産の増大―その性格と歴史的位置―
第7章 明治初期(明治1〜18)の農鉱業の生産増大・発達とその特性
第8章 明治初期(明治1〜18)の工業の地位とその発達内容及び近代工業の発展段階
第9章 明治初期(明治1〜18)の資本形成と資金源
第10章 明治初期(明治1〜18)の蓄積力の増大と蓄積の集大
第11章 明治初期(明治1〜18)の資本形成の進展と大型資本の形成

(2)『日本近代経済発達史』(全3巻)――明治中期〜大正初期――

1885〔明治18〕〜1913〔大正2〕年の約30年にわたる明治期の本格的発展を対象とし、後進国日本の独自の発達促進要因として、不平等条約の改正、外資導入の開始、日清・日露両戦争の勝利など対外的な3項目をあげ、最も困難かつ重要な近代経済の建設にひとまず成功したことを実証する。第1巻では総論的に、第2〜3巻では重大要因を中心に各論的・系統的に詳述する。

(第1巻)―総論―

本巻は総論として、明治期に日本経済の近代化が大きく進んだ状況―とくに対外的要因―外資導入、日清・日露両戦争、条約改正等―の意義を大観し、各章ではその主要な要因と寄与の検討を行い、この間に日本経済が本格的離陸と成長の段階に到達したことを明確に実証し、最終章でこの期の経済発達に対する総体観と歴史的評価が提示される。

第1章 明治経済の新段階転入と内外の社会的背景
第2章 近代経済の離陸と本格的成長への発足
第3章 近代経済の発達とその助長促進の国際的要因の新登場
第4章 日清戦争を契機とする近代経済の飛躍
第5章 日露戦争を契機とする近代経済の発展
第6章 明治20〜46年経済発達の総体観とその歴史的地位

(第2巻)―各論(1)―

明治期における近代経済の形成・発達に寄与した4大要因―企業経営者・労働者・資源・資本と給源―の個別的検討とその評価を行うとともに、その発達をまかなった要因として、国民貯蓄と資本蓄積、信用制度の発達、会社制度の整備等の状況を解明する。

第1章 近代経営者の成長発達とその重大寄与
第2章 わが近代経営者の発達と労働要因の地位と寄与
第3章 明治経済の発達と資源要因の地位と寄与
第4章 明治の経済発達をまかなった資本とその給原

(第3巻)―各論(2)―

第2巻に続き、運輸交通機関と海運業の発達、貿易商社の発達と貿易の増大、農業の発達・停滞と分解、軽工業の発達と紡織業の増大、鉄鋼・造船・機械工業の発達など、明治期の経済発達に大きく寄与した主要産業別の検討を行い、その性格、段階、意義を詳述する。

第1章 運輸交通機関の発達とその重大寄与
第2章 わが貿易商社の発達と対外経済の発展
第3章 貿易の発展とわが経済の発達
第4章 農業の発達・分解と近代経済の形成
第5章 明治期における工業の発達―その性格と発達の段階―

(3)『大正昭和財界変動史』(全3巻)――大正期〜昭和初期――

本書は、大正期:1913〔大正2〕〜1926〔大正15=昭和1〕と、昭和初期:1927〔昭和2〕〜1936〔昭和11〕年)を一連の対象として取り上げ、戦前日本の最も経済的発展と波瀾に富む約30年の財界変動(=経済変動)の過程を、当時の膨大な資料に基いて実証的・総合的に解明する。

(上巻)―大正編―

大正期は、日露戦後の膨大な外債償還と借換え、植民地朝鮮の経営と守備、第1次大戦参戦とシベリア出兵による軍事費増加、戦後恐慌と関東大震災による再建費用などの財政負担をもたらし、合わせて政府の震災手形処理の失敗と金本位制復帰をめざす旧平価解禁(デフレ政策)は、昭和期の金融恐慌から昭和恐慌へと連続する大きな禍根を次世代に残した。

第1章 明治末―大正初期のわが財界の窮迫 
第2章 第1次世界大戦とわが財界の変動
第3章 欧州大戦の終熄と財界の反動
第4章 欧州戦後の景気勃興
第5章 大正9年の財界大反動
第6章 9年反動後の財界整理とその不徹底
第7章 関東大震災後の財界の悪化

(中巻)―昭和編(1)―

昭和の初頭は、若槻内閣片岡蔵相の失言により多数銀行の倒産を招く金融恐慌に始まり、続く金解禁戦争で著者らは新平価解禁を提唱したが、1930年浜口内閣井上蔵相の旧平価金解禁断行により、世界恐慌の襲来と合わせて日本は激烈な昭和恐慌に突入した。本書は昭和初頭のこの歴史的・経済的要因と政策論争を豊富な資料と証言により実証的・批判的に考察する。

第8章 昭和2年の金融大恐慌
第9章 金融恐慌後の財界整理と経済回復難
第10章 旧平価金輸出解禁
第11章 金解禁後の経済大恐慌

(下巻)―昭和編(2)―

イギリスは世界恐慌の深化により再び金本位制離脱を余儀なくされたが、日本の犬養内閣高橋蔵相も追随して1931年末、金輸出再禁止(金本位制離脱)を実施し、ようやく経済回復期を迎えた。本書はその経過を詳細に検討しつつ、さらに満州事変に基因する準戦時経済体制までを詳述する(1937年以降は、日中戦争による戦時経済体制時代となる)。

第12章 世界恐慌
第13章 金輸出再禁止の不可避化とその断行
第14章 昭和7−10年の経済隆興
第15章 準戦時経済時代並に戦時経済への突入

サービス内容

高橋亀吉著作集――近代日本の総合経済史・三部作、全9巻

価格

 

提供スケジュール

2015年

発行者(元)

東洋経済新報社

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